フェラーリはメルセデスの新しいコンセプトの「宇宙船(スペースシップ)」デザインを誘発することを懸念し、将来的にミラーデザインを規制するように求めています。
メルセデスはミラー周りのデザインを見直した
今週のバーレーンテストでメルセデスがW13に導入したサイドポッドの改良の一環として、メルセデスはミラー周りの配置を見直しました。
フェラーリはミラーのデザインが空力的な利点があると指摘
フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、ミラーのデザインが空力的な利点を生かすことは認められていないことから、メルセデスのアプローチには疑問があると指摘しています。
メルセデスの変更について尋ねられたビノットは、「ミラーについては、驚いている」と答えた。
「とても驚くべきことだし、われわれも予想していなかったことだ。将来的には対処しなければならないことだと思う。昔からミラーは空力的な目的を持ってはいけないと常に主張してきた。後ろを見るためだけにあるべきものだ。彼らのデザインは、確かにミラー自体に大きな空力的な目的があると思う。将来的にすべてのチームが宇宙船のようなミラーをデザインするようになる可能性がある。」
「それはF1が求めているものではないと思う。私はそのアイデアに異議を唱えているわけではない。彼らは興味深い解決策を見つけたと思うが、われわれの意図することの精神からすると、確かに将来的には議論しなければならないことだと思う。」
フェラーリ「ミラーはダメだけど、サイドポットのデザインは面白いと思う。」
ビノットは、メルセデスのミラーについては疑問を持っているが、サイドポッドのデザインには問題がないと発言しています。
「まず、メルセデスのクルマを見ると、間違いなく素晴らしいクルマだと思うんだ。いいコンセプトだし、われわれが手に入れたものとはかなり違う。レイアウトとサイドポッドが面白い。全体的な合法性については、”疑い “を持ってはいけないと思う。」
「FIAが取り締まりと合法であること確認する責任を負っている。メルセデスも同様に違法なことをしているとは思わないよ。」
F1ミラーに関するレギュレーションとは?
ウイングミラーは空力的に重要な部位であるため、F1チームは昔からミラーのデザインや位置を変更を検討してきました。
しかし、F1のルールではミラーのデザインは純粋な構造的なものでなければならず、空力を高めるようなデザインであってはならないことが明確にされています。
F1のテクニカルレギュレーションでは、ミラーは特定のボディワークのレギュレーションから除外されています。
しかしながら、ミラーのデザインが空力的な利益をもたらしてはいけないという意味では下記の第3.2.2条の規定に該当します。
「車体以外の構成部品の空力的影響は、その主な機能に付随するものでなければならない。そのような空力的な影響を最大化することを目的としたデザインは禁止されている 」と記載されています。
過去、フェラーリもミラーのデザインを撤回したことがある
ビノットはメルセデスのデザインが、より過激なミラーソリューションを推し進めるチームの扉を開くことを懸念していて、フェラーリは過去にFIAの介入を受けて、独自のデザインを撤回したこともあります。
2010年、フェラーリは他の数チームとともに、サイドポッドの上部(フローコンディショナーの上に)ミラーを搭載しました。
その結果、ミラーが振動しやすくなり、視認性と安全性が懸念されました。
FIAはこの事例に対して迅速に対応し、第4戦中国GPまでにミラーをコックピットの横に戻すよう求めました。
各チームはレギュレーション内でミラーに空力的な効力を持たせようと思案してきた
2018年、F1チームはウィングミラーをHaloの側面に取り付けました。
これ自体は問題視されなかったのですが、ウィングミラーの上に明らかに空力的な機能を果たす眉毛のようなウィングをいくつか追加し、警鐘を鳴らされました。
FIAはスペインGPでウィングの使用は許可されましたが以後は使用を禁止されました。
そのデザインの元となった2ピースのミラーは、2017年からマシンに搭載されました。
効果的な空力機能として多くのチームがそれを参考にして2022年用にデザインを作り直しています。
レギュレーション内の「ミラー・ストーク(ミラーの付け根)」として定義されているものを、各チームが巧みに読み替えています。
この点で最も興味深いのは、アルファータウリとメルセデスのデザインで、いずれもサイドポッドの外縁に一連のボルテックスジェネレーター(乱流を生成する装置)を取り付け、ミラーと組み合わせてその部分の気流をコントロールするのに役立ていることです。
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